南国土佐に広がるEM活用の動き・現地リポート
過疎化が進む池川町では「清流の再生と町おこし」にEM活用を決定
EM開発者の比嘉教授を招き講演会と視察・意見交換会を開催

 日本一の清流を四万十川と競う仁淀川の源流地にある池川町では、急激な過疎化と老齢化に悩んでいたが、「池川の"緑と清流"を再生する会」(奥田英雄会長)の発足(平成13年)を契機に、EMを活用した清流の再生と町おこしの動きが活発になっている。

平成14年11月には、EM開発者・比嘉教授を招き近隣町村の行政及び住民代表との意見交換会や「EMが川と農業を再生する」と題した講演会を開催している。

また、講演会に先立ち、早朝7時から三浦池川町長を先導に比嘉教授や「公共事業が変わる(北海道新聞社)」を出版した天野礼子さん(再生する会顧問・アドバイザー)他の関係者がバスで山間地をつぶさに視察しながら「清流の再生と町おこしの具体策」を探っている。

EM開発者の比嘉教授を招き講演会と視察・意見交換会を開催
行政・住民代表との懇談でEM活用事例を説明する山下U-ネット運営委員と比嘉教授(U-ネット会長)

仁淀川河口ではカツオ節加工業者が作業と環境改善にEM活用

 カツオ節生産で有名な土佐市宇佐町では、加工作業から発生するカツオの内臓や骨などの加工残さによる作業場や排水溝の悪臭とヘドロ堆積、隣接海浜の環境悪化に悩んでいたが、EM普及関係者の強い働き掛けに応じ、平成13年からEM技術の積極的な導入活動を開始している。

先ず、加工業協同組合とNPO法人・黒潮蘇生交流会(山下修理事長)が中心となり瀬戸内海など各地のEM技術導入事例をつぶさに視察してEM効果を確信。直ちに開発者・比嘉教授の直接指導を受けるとともに土佐市への働き掛けによりEM導入のため150万円の助成金計上(平成14年度)に成功している。

平成14年6月には、この助成金の活用によりEM培養機・百倍利器2機を導入し、培養したEM活性液を月に一回、加工業者10社(各20リットルポリボックス)と住民1900世帯(各2リットルペットボトル)に配布し職場や家庭でのEM活用を実現している。

一方、排水溝や海浜の汚染対策としては、1トンのEM拡大活性液タンク2基を排水溝沿いに設置し、月に1トンのEM培養液を投入している。資金的な制約もあり月に一回のEM活性液配布・投入となっているが、今後も可能な範囲で増量を図って行きたい(NPO黒潮蘇生交流会)としている。

また、改善活動の更なる拡大充実のため昨年11月には比嘉教授による取組み状況の視察と助言を受けている。こうした取組みが継続・発展出来るよう、地域住民による積極的な参加と各行政機関や関係NPOによる協力と支援が期待されている。

授産施設での生ごみリサイクル活動(高知県本山町)

 高知県本山町では、平成7年に地元スーパー・末広(山下修社長)が自家処理用として導入したEM活用による生ごみリサイクル設備を、4年前から授産施設(本山育成会しゃくなげ荘)が移管を受け、生ごみリサイクル活動を軌道に乗せている。

同施設(EM班・約10人)では、生徒の自立活動の一環としてEMボカシづくり、生ごみ回収・肥料化、菜園づくり、EM活性液の清掃作業への活用等を進め、生徒の生き甲斐づくりに役立てている。生ごみの回収は、スーパー(3ヶ所)、家庭生ごみ(30世帯)、レストラン(5ヶ所)病院給食(1ヶ所)の合計で日糧約300kgにのぼる。

同施設で造られたEMボカシとリサイクル肥料は、施設での菜園づくりに活用されるほか、町内のスーパーでも販売され、収益金は施設運営にも役立てられている。

こうした授産施設での総合的なEM活用は、施設における生徒の自立向上や運営改善に大いに役立つものとして関係者から注目されている。

山間地でのEM有機農業への挑戦(高知県土佐町)

 山下一穂さん(50歳・元学習塾経営)は、過疎化が進む高知県北部山間地で有機農業への転進と農業自立への挑戦をしている。4年前からEM技術活用による有機野菜の栽培と販売に取組んでいたが、3年目からは生産並びに販売両面での安定化に自信を深め、有機農業による自立を選択したと言う。

有機農業に取組んでいるのは、山下さん夫妻と高知大学を昨春卒業した実習生の3人。生産品は、ほうれん草、レタス、ブロッコリー等の野菜(年間40種以上)が中心であるが、水稲の無耕起栽培にも挑戦中で、昨年11月には田圃への水張とEM投入を開始している。農法は、無農薬、無化学肥料、無耕起、無除草を原則とし、肥料・農薬代、人件費・設備費の徹底した削減を目指している。

また、販売については、産地から約1時間の高知市住宅街(週に2回配達)、こだわり生協、デパート等に直接販売する方法をとっているが、山下さんの野菜は大変評判が良くお客の需要に追いつかない状況にある。農地は全て借地(約2ヘクタール)で小さな畑地ばかりであるが、年間収入は1千万円を越えていると言う。

山下さんの挑戦はEM技術の活用による新しい試みであり、輸入食材に代わる顔の見える地産地消型農業の胎動として期待されている。





瀬戸内海浄化活動その後の広がり
 瀬戸内海地域蘇生交流会の発起人、前U-ネット四国代表、故左納久仁美さんのご意志は引き継がれ、瀬戸内海の浄化活動は、瀬戸内海地域全体がネットワークを組んだ瀬戸内海環境会議へと発展した。

EM開発者の比嘉教授を招き講演会と視察・意見交換会を開催  その事務局も務めるU-ネット中国地区リーダーの浦上さん(山口県橘町)は、毎年夏に行なっている瀬戸内海浄化学習を比嘉教授門下の琉球大学生・院生とともに今年も開催したほか、地域の方々にEM講座を行なうなど忙しい毎日を送っている。山口県岩国市、和木町、由宇町、錦町、本郷村、美川町、美和町の(社)山口県快適環境づくり連合会の総会に環境アドバイザーとして講師に招かれ、また山口県漁連女性部員役員の方々など、橘町への視察も多い。このうち由宇町、岩国市では百倍利器の活用も始まり、フグの出荷日本一の下関唐戸市場でも、EMによるフグの健康管理、市場内の清掃が、この視察をきっかけにEM拡大培養器を導入して行われる。

 瀬戸内海環境会議には山口県漁連も近く加わる予定とのこと。浦上さんは「行政もEMに強い関心を持ち始めてきた。漁業を営む人の切実な思いが、瀬戸内海全体の大きな渦巻きとなって動き始めたと感じている。」とコメントした。



夫婦で取り組む市田川浄化 〜EM効果一目瞭然〜
 和歌山県新宮市に住む田中廣・旬(じゅん)子ご夫妻。3年ほど前から廣さんの還暦を機に市内を流れる市田川の浄化に取り組み、早くも効果が現れてきた。地元新宮のライオンズクラブ、熊野環境会議河川浄化部とも協力し、活動も拡がっている。

 EM投入は週200〜300リットルを4ヶ所から。市内には下水道が1mもなく、生活排水が直接川に流れる仕組みになっている。以前は中心街から離れた支流で投入していたが、より良い効果を狙い源流に近い街中からも流すことにした。看板を作り、旗をたてたことも加えてパフォーマンスとしての効果もでてきたという。

夫婦で取り組む市田川浄化  河川への変化が表れたのは2001年の10月頃からで、取材にきていた地元紙の記者も「繁殖時期には鯉が5,60匹もいて、近所の人が川沿いに集まり騒いでいました。」と証言してくれた。今では、天然記念物だからとEM投入を断られた浮島からの水が一番汚く臭いも強い。市田川との合流点では水の透明度の差は歴然で、臭いも数メートルではっきり違う。昔は全部の川が同じように白く濁って汚かったとのことだが、投入をはじめてからはヘドロもなくなり下の砂利がはっきりと見える。「EMを撒いていたら不法投棄だといわれ、和歌山県の保健所や警察が来た。保健所が怪しんで調べたが何の異常もなかった。当たり前だよ。」と廣さんは笑う。

 自宅では"ハレルヤ"という健康の店を経営しており、EM資材も充実。「子孫達へより良い地球を残していきたい。ほかに方法はあるかもしれないけれど、私はEMしか知らないし、これが一番だと思っている。」と旬子さん。

 池では、生態系の乱れから異常繁殖していたウシガエルが減り、現在では魚が水面を埋めつくしてトンボや鷺もやってくる。ホタルが年々少なくなっているという地点では、「きっとまた蘇る」と投入を続けている。

 市がなかなか取り組んでくれない悩みがあるとのことだが、仲睦まじくユーモアたっぷりに楽しんで活動しているお二人を見ていると、地元を巻き込んだ浄化活動はさらに広がりを見せそうだ。



EMによる桜の樹勢回復活動
EMによる桜の樹勢回復活動  日本には桜の名所・名木が沢山あるが、排気ガスや維持管理の関係で樹勢の衰えが見られるものも多くなってきている。そんな中、財団法人日本花の会では、樹勢回復を目指すボランティアの方々に対しての支援を、EMを活用して行なっている。

 伊豆、天城湯ケ島町本柿木地区の法泉寺にある樹齢300年以上と伝えられているしだれ桜は、人為的な影響もあって弱ってきていたが、4年前から集落の方々と一緒に行なってきたEMボカシ等を活用した樹勢回復作業により、現在徐々に回復が見られているという。写真は昨年の状態であり、今後の回復が期待されている。

 また、都下の名所である国立市の桜並木に対しても、地元ボランティアと一緒になっての活動が行われている。



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