"神々の郷"出雲で始まったEM環境浄化
先ず神西湖、シジミと魚の楽園に
 素戔嗚尊による斐の川(斐伊川)での八岐の大蛇退治、大国主の尊との稲佐の浜における国譲りの交渉、日本武尊と出雲武尊の戦い、神々が出雲に集うことによる神無月も出雲では神有月、古事記の中で大きなウェイトを占めて語られる出雲の神々の活躍・・・。
 現在、このように華やかな神々の代を彷彿させるものは少なく、戦国時代の尼子と毛利の合戦以降、歴史にも殆ど現れず、戦後の高度成長期にも取り残され静かで緑溢れる癒しの地さながらの里も、生活スタイルは他と同様に近代化し、洗剤や農薬等による汚染が進み、住宅集中部の河川の中にはヘドロによる悪臭の発生や出雲地方の特産であるシジミ等の収量にも影響を与えるようになっている。白魚や鯉等宍道湖の7珍と言われている魚の中には、殆ど取れない魚もあるようだ。

 このような現状の中で、「環境を考える女性の会」会長でU-ネット運営委員の錦織さん(元出雲市の環境保全課長)により、出雲市活動助成金を基に、市内を流れる河川(水路)で定期的水質検査対象5河川の内、最も汚れの酷い2河川を対象とした浄化活動が、昨年より開始された。冬に向かっての開始でEMの働きが懸念されたため、EM団子での活動に限定されたが、重なりあうほど投入したこともあり、今年の2月末には投入箇所周辺のヘドロは完全に消滅し、「すばらしい活動に拍手を送りたい」との投書もあって、出雲市週報に掲載された。また、浄化活動と平行して、出雲市主催の『出雲科学アカデミー』で、出雲市や周辺市町村の市民を対象として、「家庭でできる環境改善」という名の講座が3回開催され、EM活用のレベル向上が図られてきた。このアカデミーの最終回(第3回)には浜渕委員長も出席し、EM活動の状況や成果についての話がなされた。この翌日には神西湖、出雲市から大社町に流れる堀川、日御碕の集落内を流れる河川等の視察と話し合いが行われた。

EM団子  これらの活動のためにEM拡大培養器が渡部さん(三和商会代表取締役)の工場内に設置され、この装置で製造された活性液の活用により写真のようなすばらしいEM団子が造られている。
 出雲市に隣接し、すばらしいシジミを生産している神西湖(湖水面積1.3km2、水量200万m3、水深約1.5m)では、近年ヘドロの堆積の影響による収量に対する不安が懸念され始めているが、『出雲科学アカデミー』終了後、湖を浄化するために活動している『自治協会(地区の自治会)』『NPO川と湖生き生き神西』『神西湖漁業協同組合』の方が道頓堀の浄化活動情報と市内の河川で行った浄化活動の成果を確認したことにより、共同してEMによる浄化活動を進める事に決定した。当面、EM団子を主体として3月22日の700個投入から開始され、6月に2,000個、8月に3,000個、10月、11月には10,000個ずつの投入が予定されている。当初の700個の投入においても既に投入箇所周辺に効果が現れつつある。

 日本全国からの観光客が多く、縁結びの神様で有名な出雲大社の大鳥居の横を流れる堀川へは出雲の2河川も流れ込んでいるため、ここの浄化も計画されている。この浄化作戦は児童、園児、デイサービスのお年寄りの協力によりEM団子を約10,000個造って(6,9,11月予定)、川と各家庭の溜桝に投入される予定。
 その他の活動としては、出雲市内の16の自治会でもそれぞれ工夫を凝らしてEM団子造りを行い、蛍を甦らせる運動が展開される予定である。
 また、実際には、未だ極めて短い活動期間であるため紆余曲折はあると思われるが、今年の秋、神西湖でEMによる講演会の開催も計画され、ますますEMの活躍が拡大して行くものと思われる。
 当地は言葉も景色ものんびりとした癒し系観光地であり、宍道湖を抱えた松江市には松江城、周辺の武家屋敷、船でのお堀遊覧があり、出雲市から行く出雲大社や夕日のすばらしい日御碕もある。より心和む環境造りのために、お堀や周辺河川の環境浄化、神様から与えてもらっているシジミや宍道湖7珍等の湖水の漁を活性化させるためにも、EMの活躍が期待される。


足助町が河川の浄化にEM技術を活用
 愛知県足助町(矢澤長介町長、9,749人)では、町内を流れる河川の汚染や街中心部側溝の悪臭が問題となっていたが、平成15年度に行政主体のEM技術活用による浄化運動を開始。今年度からは商工観光会など民間主体の活動に発展させている(同町、水道環境課)。
EM培養場(水道環境課鷹見英志主事と石川邦夫U-ネット東海地区リーダー・右)
EM培養場(水道環境課鷹見英志主事と石川邦夫U-ネット東海地区リーダー・右)

 同町は、香嵐渓、三州足助屋敷、じじ工房、バーバラはうすなどのユニークな地域・観光地づくりで知られており、EM技術を活用した河川浄化が軌道に乗れば、「公共下水道施設を持たない環境の町」としても注目されることになる(支援者談)と期待されている。
 浄化実験は、香嵐渓スケートセンター跡地の食堂を活用してEM培養機器(百倍利器2基、1トンタンク2台)を設置し、ここで培養した活性液を各地区の協力者を通して住民に無償提供し、各家庭のトイレや排水溝に流し込む方法をとっている。同培養装置の設置と運用については水質改善システム開発の専門家宮川芳久氏(U−ネット技術委員)が全面的に協力支援している。


取手市の「NPO緑の会」が平成15年度総務大臣表彰を受賞
<人と自然にやさしい地域づくり>部門で
 NPO緑の会(茨城県取手市・恒川敏江理事長)は“人と自然にやさしいまちづくりの推進に尽力し極めて優れた成果をあげた”として平成15年度・地域づくり総務大臣表彰を受賞した。同会の<人と自然にやさしいまちづくり部門>での受賞は全国の自治体・団体の中から受賞8団体の一つとして選ばれたもので、EM技術を活用した家庭生ごみのリサイクル活動等が高く評価されたものである。地元取手市の塚本光男市長からも「皆さんの10年に亘る地道な実践活動が高く評価されたもの。市民と行政の連携・協働の良い事例として今後も手を携えて環境改善や行政の効率化に取り組みましょう」という熱いメッセージが贈られた。

活動の輪を広げるセミナーや講演会等の開催
 NPO緑の会では、同会が進めている生ごみのリサイクルや河川の浄化など資源循環型の形成を目指した活動の輪を広げるため、従来から進めている「生ごみリサイクルモデル事業の市民向け見学会」に加え、本年4月からはEM研究機構の協力を得て計6回の「環境改善・実践セミナー」を、また、5月にはU-ネット・善循環の輪代表世話人の木村将人氏を招いて「環境改善活動を総合学習に取り入れよう!」と題した講演会を開催するなど地域住民向けの支援活動を積極的に展開している。

塚本光男取手市長(中央)に受賞の報告をしたNPO緑の会のメンバーたち
塚本光男取手市長(中央)に受賞の報告をした
NPO緑の会のメンバーたち


鹿児島にて脈々とつながる人脈の輪
〜「EM 自然の里」の活動〜
 鹿児島県鹿児島市にて「EM自然の里」を広げる九州南部地区運営委員代行 山下 浩さん。「ただ資材のみの紹介では意味がない」と鹿児島県内各地域を走り回り、日々のほとんどを勉強会に費やしている。講習を受けるメンバーは県内に何千人とも。もともと営業マンだったということもあって、人対人のつながりを大事にし、自ずと縁が縁を呼んでいる印象。「自分自身が学ばなければ人に伝えることはできない」と勉強に余念がない。

 本土最南端の肝属郡佐多町では6tのハマグリ養殖を手がける(株)マリンフッドにてEMを取り入れている。工場長の大迫さんが実働部隊だ。現段階ではテスト的な取り組みだが、水の取り替えも通常より少なくて済み、良い状態が続いている。特に夏場は細菌の発生による死亡率が高く、それを抑える効果を期待しての取り組みだ。養豚が盛んな地域のため、海での養殖ではその排水も問題になり、2〜3mへどろが溜まっているとのこと。その中、“鹿児島錦江(きんこう)湾ブルー作戦”として、海水に流れる川にも泥団子を投入した。町役場でも海苔網の臭いに困っているとのことで、早速取り組むような段取りが出来た。いまだ自然の残っている地域ではあるが、今後家庭の雑排水を含め、様々な要因が海を汚していく可能性もあるので、美しい海を守ろうという高い意識からの活動である。

 伊佐郡菱刈町にて約40頭の乳牛飼育、3ヘクタールの稲作を行う松下さんご夫妻はEMを始めて6年目。牛舎は臭いがないため、現場についても畜産を行っている場所とは気付かなかったほど。「微生物資材は昔から使っていたが、EMが一番良かった。始めた当時は失敗も多かったが、たくさん勉強をしました。」と笑う。自ら研究を重ね、特別活性液も作った。牛が健康になり乳質も向上。病気、怪我、ハエもなくなった。・・・と良いことばかり。地元小学校の環境学習の指導も行い、平成14年度には子どもたちがEMで育てた桜島大根が世界大会で1位になった。稲作も化学肥料、農薬を使わず、全てにおいて自然にEMが入っている。ご夫婦の笑顔からはEMへの信頼や親しみが自然と溢れており、終始にこにこ顔で対応してくださった。

EM自然の里 山下 浩さん(左)と松下さんご夫妻
EM自然の里 山下 浩さん(左)と
松下さんご夫妻
 各地で指導、勉強会を行う山下さんは、その他にも農業、医療、建築・・とジャンルを問わず勉強を続け、世界遺産の屋久島にEM住宅を建てる計画なども進めている。パワフルな活動が県を越えた更なるネットワークを広げつつある。


秩父の観光名所 羊山公園の芝桜をEMで
 関東の駅各所に色鮮やかなピンクのポスターが目を引く。テレビ放映なども多くされている埼玉県秩父市、羊山公園の芝桜(12.000平方メートル)。見頃の期間中には70万人の観光客が訪れるという。広大な面積をピンクや白の花が埋め尽くすが、病気の問題もあり、育てるのにはいろいろな困難があるようだ。 たくさんの観光客の目を楽しませる芝桜
たくさんの観光客の目を楽しませる芝桜
 その予防・改善策として、昨年度より新しい植栽地(3.000平方メートル)にEMが取り入れられた。U-ネット埼玉県リーダーの岩井さんの働きかけで、(株)イーエム総合ネットの技術協力も得てEMによる土づくりや葉面散布を行っている。秩父市の管理事務所でも試行錯誤を繰り返しており、期待も大きいようだ。従来の植栽地へのEM処理はまだ行っておらず、はっきりとした結果が出るのはこれからだが、今年もEMによる植栽地4.000平方メートルが加わり、今後さらに華やかな花じゅうたんが人々の目を楽しませてくれそうだ。


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