行橋市での"EMによる環境浄化活動"
 行橋市は福岡県の東部、周防灘に面した京都平野にあり、炭坑で有名な田川市等から多数の河川が流れてきている。行橋市の環境課長でU-ネットの委員である藤木さんから、同市のEMの普及や環境浄化活動の現状と今後の取り組みについて、案内と説明を受けた。

〜環境省から表彰された活動〜
 行橋市におけるEMでの河川浄化活動は、有明海の活動として有名な"EMじゃぶじゃぶ作戦"開始時に、投入タンクを3カ所設置したことから活発になっていった。そのため同作戦終了後、市で製造能力300Lの拡大培養器を購入・設置し、毎週10Lずつ30箇所に配布。それを更に300Lに拡大培養した後、河川等の浄化に活用している。以前の行橋駅周辺の飲食店街では、厨房廃水が隣接する水路に直接流されており、水は汚く、鼻をつまんで歩くほどの悪臭が発生していた。この状況を改善しようと立ち上がったのが、正代区長である。
正大区長(左)と藤木さん
正代区長(左)と藤木さん
 最初のEMボカシによる浄化活動は大変な作業であったが、市によるタンクの設置と活性液の配布システムの立ち上げ後は培養と投入だけとなり、作業負荷は大幅に低減すると共に浄化も大幅に進展するようになった。商店街への働きかけは、廃水負荷が高いラーメン店に、毎日の閉店作業の終了時に活性液の投入を依頼したことから始まった。排水溝からの悪臭改善が図られると、隣接店から活性液の要請も来るようになり、水路の悪臭は消え、水もきれいになった。水路の水がきれいになると、今度は汚れた水を流す店が特定できるようになり、その店に拡大活性液を持っていって協力を要請することで、ますます綺麗になる"善循環"の状態が生まれてきた。当初は半日以上かかった水路掃除も、今では一時間程度の棒タワシ作業で終わるように改善されたとのこと。このような街の環境を改善するための活動で、正代区長は2003年に環境省から表彰された。

〜福岡県の認可を取得して、EMによる生ゴミの廉価処理実験開始〜
 環境改善事業、環境コンサルタント、廃棄物処理ほか、多角的な事業活動を行っている(株)マルタ代表取締役の金田さんは、若手経営者等と、環境の保全を図る活動等を目的として、特定非営利活動法人ミヤコ・グローバル・グリーンを立ち上げ、副理事長を努めている。環境問題を検討する中で、生ゴミの焼却処理に疑問を感じ、有機資源のリサイクルを検討。その過程でEMを知り、EMによる生ごみ堆肥化事業で、福岡県への認可を申請した。藤木さんの支援も受けながら、約一年半の交渉で認可を取得。現在、補助金を得て実験を行っている。生ゴミ堆肥化による資源のリサイクルは当然の目的であるが、生ゴミ堆肥化のコストを焼却コストより大幅に低減させなければ意味がないとの思いから、蘇生利器の情報を得れば、直ちに工場まで出向いて実態を確認し、実験に取込むことを検討するなど、苦労を苦労と思わず、腰を軽くして飛び回っている。先進事例も参考にして成功することは間違いないと思われる。

〜行橋市でのこれからの取り組み等〜
 行橋みやこロータリークラブ(藤井委員長)の環境委員会から、県レベルの活動として、来春から50万円の河川浄化用の予算がついたとの報告を受けた。これは悪臭対策として、数億円を計上した福岡県の3年計画事業の関連で、ヘドロ浚渫の2年目の作業に入った行橋市内の長峡川を中心とした海岸、河川、池を浄化する計画に対するものである。12月10日には、藤木さん、藤井委員長、横溝市会議員他5名の方々がEM工房に集合、来春の活動の進め方等の協議を行った。先ず、現状の確認と記録作りを目的として、汚い川探検とEM団子を40,000個作成する戦略会議を定期的に開催することが決まった。
 また、自然エネルギーを活用した建物造りを考えているOMソーラーの展示会に行き、井上代表取締役に自然エネルギーの活用とEM活用を導入した、自然と共生する建物造りについて話し合いを行い、導入検討を開始してもらうこととした。
 行橋においては、今後、益々環境改善、環境との共生がEMの活用で進展するものと肌で感じた。



兵庫県南芦屋浜地区におけるマリーナ水質浄化試験が終了
 平成17年5月〜11月までの約7か月間実施された南芦屋浜マリーナ水質浄化試験が終了した。試験の目的は、夏季における水質悪化及び透明度を改善すること。水温が下がる秋から春にかけては水深約5mの海底が見えるほどきれいな所だが、夏場になると植物プランクトンが繁殖し透明度が1mほどに低下する。これはマリーナに流入する大阪湾の海水が豊富な栄養塩類を含んでいるためである。
 現在のところマリーナ内に汚染源はない。そのため、外から流入する窒素やリンを取り込む海藻類、貝類、底生動物などをマリーナ内で増やすことが対抗策になる。
 実施場所は、マリーナ内の並列する同じ広さの船舶係留部2箇所で、一方をEM試験区、もう一方を対照区とした。
 実施方法は、1トンタンクで2次培養したEM活性液を5月〜7月までは海底部に注入する方法をとり(EMの定着を促す目的)、8月〜11月は海面に広く散布する方法をとった。
EM試験区に活性液を散布
EM試験区に活性液を散布
 今年の夏場はEM投入を開始したばかりで、顕著な生物量の増加は見られなかったため、透明度の改善には至らなかった。海底部では季節的な要因もあり、貧酸素状態が発生したため、試験区、対照区ともに生物量が一時減少した。一方、上層部においては単一的な植物プランクトン量の増加によって、透明度が1mまで低下した。しかし、これによる悪臭(藻臭)は感じられなかった。
 秋になると試験区、対照区ともに再び生物量が増加し始めた。EM試験区においては、試験前にはあまり見られなかった細かい緑藻が海面付近の岸壁にびっしり生えてきた。また、試験区、対照区及び両区の間の岸壁において、現在では緑藻の下に高さが10cm以上ある少し大きな紅藻も繁茂してきている。
 このような生物量の増加による生態系の変化は徐々に起こってくるものであり、本来であれば2〜3年継続して観察するべきである。しかし、今回の試験は7か月間で終了となり、短期間での変化について調査結果が兵庫県に報告される。
 今年は改善の兆候が見え始めた初期の段階である。私たちとしては、今後も継続して浄化活動及び観察を行うことを県に提案している。


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