栃木県西部から東部に拡大するEM技術による環境改善
〜東部の益子町では町民・行政・企業の協働による「益子の川をきれいにする会」が発足〜
 栃木県は、世界遺産登録の「日光の社寺」に代表される県北部の自然と史跡群が有名である。一方、県南部は、群馬県南部と経済圏を共有する両毛地区があり、関東地区における一大広域商工業圏としての発展が期待されている。
 環境改善活動面では、古くは足尾銅山公害問題解決への取り組みが有名であるが、最近では足利商工会議所による「まちおこし探偵団」(現在のNPO足利水土里探偵団)の活動があり、両毛地区、栃木県東部、更に県全域での環境改善の輪づくりに取り組んでいる。
 同活動を現地リポートでお届けする。

両毛地区から栃木県全域での環境改善活動へ
足利商工会議所からスタート
 NPO足利水土里探偵団(中庭三夫事務局長:U-ネット運営委員)は、平成7年足利商工会議所により、地域づくりと業界振興を目的に「まちおこし探偵団」の実戦部隊として誕生している。同NPOは、EM技術活用による環境改善に取り組み、河川浄化、生ごみ堆肥化、環境学習の普及などの活動で成果を上げ、その活動範囲は足利市内に留まらず、佐野、太田、桐生、館林の両毛地区5市や近隣8町に拡大している。更に、平成18年からは、陶器の産地・益子町を中心とした県東部地区のボランティア活動と連携し、栃木県全域への活動拡大に取り組んでいる。

益子の川をきれいにする会が発足
 栃木県東部の益子町では、EMネットましこ(河原弘道事務局長:U-ネット会員)が、地元益子町出身の大塚実氏((株)大塚商会名誉会長:U-ネット会員)の支援を得て、平成18年6月から、悪臭が漂いヘドロが堆積していた百目鬼川の浄化に取り組み大きな成果を上げている。(詳細、U-ネット通信平成18年11月1日号参照)
 益子町では、この活動を更に発展させるため、町民、行政、企業の協力による「益子の川をきれいにする会」が平成19年4月1日に発足。同会には、町内各種団体の殆どが参加し、全町上げての環境改善・町おこしの活動となる。同設立趣意書には「益子の水辺の環境を改善し、ホタルが群れ飛び、メダカの学校が見られる流れにして、他の町に誇れる自然にやさしい益子にしたい。」という活動目標が盛られている。
 こうした益子町での動きは、EM技術を導入中の芳賀町、市貝町、二宮町、茂木町などの隣接市町村からも注目されている。

身近な川や田の観察からはじめた足利市立葉鹿小の総合学習
環境教育の素材としてEMを活用
 葉鹿小学校では、平成11年から総合学習に環境学習を取り入れ、地元の川や田の調査・観察を通して色々な疑問や課題を抱く中、教育素材としてのEMを学び体験することにより、生徒たちの学習意欲や実践意欲を高めている。生徒たちは、先生や関係団体から提供された色々な場での発表体験を重ね、自分達の行動に自信を深めている。また、こうした実践活動に基づく発表は原稿無しに行われ、「自分の意見を堂々と発表する。」「本物の自信となる。」「他の生徒たちの発表や活動にも波及効果が出ている。」などの教育効果を上げている。(大島由臣教頭談)
 因みに、同小学校は、平成13年に「こどもエコクラブエコロジカルあくしょん県コンテスト優秀賞」、「第1回環境コンテスト優秀賞」を、平成15年に「足利市教育実践特別賞」を、平成16年には「コカ・コーラ環境教育賞」、「全国野生生物保護活動奨励賞」、「緑の道コンテスト奨励賞」、「第1回学校自慢エコ大賞優秀賞」等などを次々と受賞している。
数々の環境賞を受賞している葉鹿小エコクラブ。自作のエコ製品を持つ足利市立葉鹿小学校の5年生
数々の環境賞を受賞している葉鹿小エコクラブ
自作のエコ製品を持つ足利市立葉鹿小学校の5年生
 なお、同校における環境学習の詳細については、学習教材「明日からできるEM環境学習」に、事例集として取り上げられている。

多彩なエコ活動に発展
 こうした環境学習を学校全体に行き渡らせるため、平成15年には、4年生から参加できる「葉鹿小エコクラブ」をつくり、生徒や先生方のアイデアによるエコ商品を開発して学校行事の際に販売し、その収益金で地域の施設に車椅子を寄贈するなどの社会貢献活動まで実現している(葉鹿小エコクラブの皆さんの写真は一面に掲載)。また、更に、学校と地域住民との連携活動を強化するため、平成19年3月には地域のローターリークラブの資金支援を受け、同校の卒業生、地域住民たちも自由に利用できる「葉鹿エコクラブ」活動室を構内に開設している。

佐野市でもEM活用の輪が広がる
 佐野市では、NPO足利水土里探偵団の支援を受け、平成16年にEMエコの会・佐野(会員49名)を立ち上げ、毎月一度の生ごみのリサイクル交流会を開いて同地域での環境浄化活動に取り組んでいる。平成17年から市内の小学校へのEM活用を働き掛け、平成19年3月現在で7校のプールがEM活性液を活用している。



京都府丹後地区におけるEM活動の状況
京丹後市周辺におけるEM活動の状況を吉彌さん(運営委員)、田中功さん(技術委員)、後藤和子さん(会員)の案内で取材した

〜コテージにおけるEMを活用した清掃〜
 岩滝町経営の大内峠一字観公園内にあるコテージは日本三景の天橋立が横一文字に見える高台にある。このコテージは後藤さんの働きかけで器具備品、バーベキュー用具、トイレ、建物全体がEMで清掃されている。取材した2月28日は、11月〜3月20日までの冬季閉館中で、11月から締切り状態にも関わらず、天井・壁等に使用されている杉材がほのかに香り爽やか。日常はEMを使用した清掃、閉館前は天井、壁、網戸、空調機のフィルターに100倍希釈した2次培養活性液をたっぷり降りかけ、目的別にEMセラミック(蘇生C)やEM石鹸を混ぜて使用。EMセラミック1kgを8帖の畳の下に施用していることもあり、喧嘩していた夫婦も仲良くなって帰る。また、害虫の進入がなくなり、クモの巣も全く無く、トイレはEMトンボを使用し、EMを活用した清掃のおかげか悪臭は完全になくなった。

〜EMを活用した織物工場の変化〜
 機能性繊維の織物工場「大善」では、操業用水の貯槽内(鉄製)に各種EMセラミックを投入し、側板にEMセラミックと活性液を混ぜて塗った。工場内加湿用水に活性液を添加、工場の天井隅部約1mにEMセラミックを混入した塗料をコの字に塗装。外壁には100倍希釈の活性液を3回/年程度動噴で噴霧し、工場床配線ピット内にパイプ型EMセラミックを置き、トイレ等の清掃にもEM活性液が使用されている。この結果、工場内は織物工場で通常目にする塵埃も無く、天井隅部塗装で壁のカビや汚れが落ち、水槽外壁は赤錆が消え、水漏れも止まり、建物外壁も美しく植栽樹も活き活きとしている。EM活用前は加湿用の循環水が黒くドロドロしていたが、活用後は透明な水が循環し、機械への負荷が減り、以前は湿度80%での操業が、現在50数%でよくなった。EM2型ボカシで藍や野菜の試験栽培を始め、藍工房を立ち上げ、今はドジョウの養殖準備中である。

〜EMを活用した有機農業について〜
 次に10年前に脱サラし、現在、2haのEM有機農法に取組む梅本さんを訪ねた。冬季の為、圃場には九条葱と玉葱が作られていた。圃場の周囲にはEM施用の堆肥やチップが高々と積まれ、作業小屋では収穫物やEM施用資材が保管され、2次発酵活性液にホンダワラが漬け込まれていた。
 EM活用有機野菜の販売ルートは農協経由の一般市場とのことであった。

〜離湖浄化を考える会の活動〜
 会長の池田さんによる離湖の浄化活動は、EM活性液2.5t/週の投入と離湖祭にEM団子の投入。この活動が学校の環境教育へと拡大している。
 以前、工場排水等の影響からか背骨の曲がった魚が見られたが、昨年は活動の効果かワカサギが大量に発生し、一網で3,000匹取れたとのことである。現地へ向かう途中で流入河川(待谷川)に、鮒の大群がいた。また湖岸の石の表面にヌルヌル感も無いことから、離湖はかなりEM化してきていると思われる。
 なお、池田さんはEM活用海水塩(丹後の太朗塩)造りも行い、塩の製品を販売している。

〜島津小学校の環境学習ではEMも活用〜
 島津小学校で環境学習とEM活用事例を毛呂先生と村井教頭先生からお聞きした。校長先生もEMの取組みに積極的で、プールへのEM活性液投入(80L/回を3回実施)、家庭と一体となった米のとぎ汁発酵液作りや廃油回収等の環境活動、3月3日の離湖祭へのEM団子作りの呼びかけを実施している。プール使用中も活性液を40L/週で4回投入、肌へのピリピリは無く、目の痛みも無いと好評で京都新聞等に紹介された。プール使用開始前清掃も楽で、洗剤はEM石鹸を使用しアトピー児童への悪影響も無い。活性液投入開始時に入れた数匹のドジョウが100匹以上に増え、水中小昆虫もヤゴ他多数発生し自然観察の場になっている。廊下では烏貝に与えた餌が腐敗し悪臭が発生した際に、烏貝を別水槽に移し、腐敗物にEM団子等を入れ、EM効果の悪臭消去を体験し、ヘドロ様残渣の変化を継続監視中である。

〜EMが枯山水庭園の松を助ける〜
 丹後縮緬製造販売の田勇機業株式会社には、重森先生作の枯山水庭園が二ヶ所あり、庭園内の一本の松が枝先の黄変病に罹病。各種対策を実施するも効果なく、岡さん(U-ネット会員:(株)助っ人ネット)の指導で一昨年11月にセラミックパウダーを活性液で練り、地際から1.5m程塗布した。結果、昨年の5月に青々とした葉が出現。空洞部に詰めたコンクリートも皮が盛り上がり、押し出された。水苔は管理は難しく消滅することが多いが、散水後に30倍希釈活性液を散布するだけで活き活きとなったとのこと。また、田茂井会長はEMの資料を庭園側に常置し、道頓堀のEM団子と共に来園者に対してEMの効果をPRしている。

〜EMによる精練工場の排水処理〜
 精練とは丹後縮緬の肌触り改善工程。その工程排水には各種有機物質が多いため、活性汚泥法による処理だけでは、放流先の海岸部河床の堆積物と排水処理設備周辺での悪臭が強く、市民から操業中止の要請も出され、服に悪臭が沁み込み、列車等に乗れば人が逃げる程であった。そこで、日処理量100tの設備に20L/日(処理量の1/5,000)の活性液の投入を開始した結果、先ず、悪臭が消え、現在は海岸部の河床のヘドロも消滅し、隣接海岸の砂と全く変らぬほどに回復。あらためてEMのすごさを実感している。


横須賀市で河川浄化が始まった  〜6ヶ月で改善の兆し〜
 横須賀市は、津久井川と川間川の雑排水による汚濁防止を目的として、有用微生物群(EM)を用いた水質浄化を平成18年5月から始めた。その実施概要と成果は下記の通りである。これは、U-ネット神奈川の藤間豊氏の4年間にわたる地道な働きかけで実現したもので、平成19年度も継続されることになった。

実施概要

今後の課題としては、つぎがある(藤間氏談)。


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