活動状況

確かな歩みで期待される富山県の環境教育と農業

児童への環境教育が家庭へ 富山市立岩瀬小学校

▲岩瀬小学校プールで
 城野弘子さん(左)と
 水野大造教諭(右)
U-ネットの活動は全国に約1,300団体、構成員25万人に及んでいるが、富山県への普及が比較的少ない。その中にあってSPCの地球環境部長でU-ネット石川県世話人の泉崎富子さんとSPC富山の城野弘子さんたちが富山県内の環境教育普及に取り組み始めている。
富山市立岩瀬小学校(浦上紀子校長)は、創校140年という伝統ある小学校。学校のある岩瀬地区は江戸時代から北前船を航行させた廻船問屋や加賀藩の米蔵(御蔵)もあり港町として独自の文化が育まれた魅力あふれる場所でもある。
小学校の正門を入ると樹齢500年といわれる傘形の大きな松があり「からかさ松」と呼ばれ親しまれている。緑豊かで、海にも近く環境の良い場所である。
2年前から城野さんたちの指導でEMを使った環境教育に力を入れている。5年生の総合的な学習の時間に環境教育の一環としてコメのとぎ汁発酵液作りやプール清掃にEMを活用している。この学習時にペットボトルを児童が家庭から学校に持参するのだが、忘れる子供が一人もいないという素晴らしさ。これは、学校側の教育指導と家庭の連携がうまくいっていることを表している。
また、学校で習ったコメのとぎ汁発酵液作りの影響で、子供たちが家庭で作る姿から母親など保護者にもEMへの関心が高まり、ペットの消臭や花壇への使用と広がってきている。
浦上校長は「EMを入れたプールは清掃が簡単で楽になり、合成洗剤を使っていないので皮膚の弱い子供も安心して掃除に参加できます」と語った。
EMが投入されたプールを見て、ミズスマシ、ヤゴ、オタマジャクシなど水生生物が元気よく泳いでいて、側面や底には苔もヌメリもなくEMがよく効いているのが実感できた。


花づくりで豊かな心を 富山市立大久保小学校

▲戸田校長(右端)と大久保小学校
 栽培委員会の児童たち
大久保小学校(戸田哲彦校長)はJR富山駅から11キロほど離れた田畑が残る緑豊かな地域にある。この小学校は花づくりによる教育や地域との連携で優れた業績を上げている。
昭和57年から花づくりを教育の一環として?植物を育む心、?友達と協力する楽しさ、?働くことの心地よさ、?愛校心の4つを育むことを目標に活動している。
「花づくりで豊かな心を育もう」とする教育方針ともいえる。こうした成果として、平成21年には全国花のまちづくりコンクールで農林水産大臣賞を、今年24年には内閣総理大臣賞も受賞している。
これも学校の熱意に長年にわたり地域の人たちが花づくりに協力しているからとのこと、環境美化を目標にあげる地域ボランティア「ちとせ会」やグリーンキーパーの人たちだ。4月から11月までに月に2回位の割で、EMで培養されたエコ堆肥などを使って、花壇の土づくりなど力仕事で10数人が子供たちと一緒に花づくりを楽しんでいる。学校側も栽培委員会を作って児童たちが花植えや草むしりなど日常の手入れを担当している。全国の模範となるような大臣賞受賞は、学校と地域の連携が上手くいっているからこその賜物であろう。


EMで日本一の卵づくり 魚津市稲盛ファーム

▲稲盛ファームで平飼いされる  国産鶏
魚津市は春先から初夏までの期間、日本海に蜃気楼が現れることやホタルイカなど漁業が盛んなことで有名。この地で国産のヒナのみを使った養鶏で、多くの顧客からの注文で多忙な(有)稲盛ファーム(稲盛仙三会長)を訪ねた。
日本の養鶏は95%が外国産ニワトリの卵を使っているという。こうした状況の中、稲盛さんは国産の鶏種のみを使った養鶏2万羽で卵づくりを続けている。これのエサや水にもこだわり日本一美味しくて安心安全な卵を目指している。

▲直播きの田に
 EM活性液を投入する
 稲盛仙三氏
EMを使用するきっかけは平成5年に鶏糞などの悪臭対策にEMが効くと聞いたことからで、その効果が実証できたので、今では稲作・野菜作り・養鶏と全般に活用している。
飼料としてEM栽培米にボカシ、活性液それにEMセラッミックスも加えているので、病気を寄せ付けない健康な鶏に育っているという。選卵機のライン清掃、消毒にも活性液が使われているので、卵の清潔を保つばかりか作業場も清潔になり、排水溝はピカピカ光るほどきれいで全く臭いは無い。
また、米作りは手間のかからない直播き方式で、収量は一般方式とあまり変わらないそうだ。
物販場所としては恵まれないにもかかわらず、卵・米・野菜はすべて直売で売れ切れる。


活動状況

教育と環境浄化で美しい自然を未来へ
〜継続は力 兵庫県淡路島の環境学習〜

子供達の活躍で漁獲量UP 淡路市立北淡小学校

▲環境学習で講師をする
  小田村勝義氏
淡路島北西部、兵庫県淡路市斗ノ内にある浅野漁港にて6月5日、小田村勝義氏の指導のもと浅野漁協のご婦人方と淡路市立北淡小学校の3年生、5年生の児童が環境学習を兼ねたEM団子づくりを行った。こちらの漁港では3年ほど前からこういった環境浄化活動を兼ねた教育を行っている。きっかけは3年ほど前に淡路の名産品でもある海苔の色が悪くなり同じく名産品のシラスなどの漁獲量にも変化があらわれたことだ。それから家庭からのEM活性液の投入、EMボカシを利用した生ゴミの堆肥化などを行った。そしてEMを使うようになり薬品の使用も減り今では海苔の状態も回復し漁獲量も増えているとのこと。
兵庫県では環境体験学習に力を入れておりこの環境学習もその一環で行われている。今回同行されていた原田武校長は「他の小学校の教頭時代にもEMでの河川の浄化活動と生態系の観察をした。その時も小田村さんが講師をしてくれた。」、「子供たちが今は理解出来なくても、こういった色々な経験を子供たちにさせてあげることで将来あの時にこんな事をしていたなとか、あんな匂いだったなということを思い出して将来に役立てて欲しい。」と環境学習に対する熱い気持ちを語ってくれた。また、子供達と引率の3年生担任 西尾宏子先生、5年生担任 本田康孝先生は笑顔で率先して参加しており「久しぶりの泥んこ遊びは楽しい」と次々とEM団子をつくっていた。今回出来たEM団子が約2000個、後日、糸状菌の観察を行い7月に漁港から海へ投げ込まれる予定だ。


様々なレパートリーを持つ淡路の大ベテラン

▲ユーネット近畿西部地区世話人
 萬谷正樹氏(左) 小田村氏(右)
上記の他にも約10の漁協と小学校でも同じ様にEMを使った環境浄化を兼ねた環境教育学習が行われている。昨年は15,750個のEM団子を作り近隣の海や河川に投入した。この環境学習に教材やノウハウ、資材や機械の準備、そして講師などを率先して行っているのがNPO法人ツーバイEMエコあわじの代表である理事長の森恵さんとその父親である小田村氏達である。このNPOは平成15年
10月1日に環境浄化や生ゴミの堆肥化などエコリサイクルを地元に普及するべく法人化された。特に環境学習では、学校給食や家庭からの生ゴミを使った堆肥化及びそれを使った野菜の栽培、上記でも挙げた河川や海の浄化活動、また食用油の廃油を使用したエコディーゼルオイルの精製など様々なレパートリーを持っている。
その最前線で活躍する小田村氏は10年以上EMを使った活動をしている大ベテランである。氏はこうした活動の中で「漁師さんからの喜ばしい改善報告や子供達の真剣にまた楽しく取り組む姿がとてもうれしい」、また「子供達に美しい地球を残してあげたい」と語る。取材の中でここまで地域に浸透した秘訣は何かと尋ねると氏は「継続すること、継続は力だよ」と語る。


活動状況

福島県でEMの大量培養による、大規模除染活動が本格化
〜皆で故郷の自然を取り戻そう! 県内各地でEM活用が拡大〜

2011年3月11日に東日本を襲った大震災は、津波による甚大な被害と原発事故による放射能汚染問題が日本国内はもとより全世界に大きなショックを与えた。今回は放射能汚染問題にEM技術を活用して取り組む福島県内22箇所の拠点のうち主要な動きについて現地レポートでお届けする。(被災各地でのEM技術による初期の支援活動については、2011年7月号の特集号を参照)
福島県田村市都路町古道(ふるみち)地区は福島第一原子力発電所から西に約20kmに位置し、豊かな自然が拡がり緑が眩しく感じる場所ながら、線量計は今でも1μSv/h以上を示す。4月1日に“警戒区域”が解除され、人の往来は可能になったものの、”警戒区域”解除以前よりEMによる除染活動を独自に進めるコスモファーム代表の今泉智氏と米倉金喜氏、他の活動を紹介する。
除染対象区域でEM活性液を散布する今泉智氏 / 今泉智氏(左)と / 比嘉照夫教授(右)▲キノコ栽培場を改修し1トンタンクを並べたEM培養施設



EM堆肥上の放射線量激減にビックリ
今泉氏は震災で降積った放射能を測定した結果、EM堆肥の上が他に比べ“極めて低い線量”であることに気付き、EMによる徹底した除染を進める決意を力強く言い切った。
そこで、まずキノコ栽培場(坪井 満氏所有)約150?を無償で借受け、暖房装置の付いたEM培養棟に改修。更に運搬車や散布装置の導入等、個人でここまで出来るのかとびっくりする程の規模である。
除染対象区域は32ヘクタールで東京ドームの約7倍の広さ。巾5m程の道(長さ1600m)の両脇(片脇100m)の除染活動が本格化したのは、今年5月になってからだが、明らかに効果が出始めている。トラックに3トンタンクを積載し、消防用ポンプから供給されるEM活性液の3倍希釈液は2基の専用散布ガンに送られ、約30分で散布が終了する。これを1日に5回繰り返す。


山間地32ヘクタールに毎週30トンの活性液散布 田村市都路町
山間地32ヘクタールに毎週30トンの活性液散布
田村市都路町バックヤードのEM培養棟にはEM1次培養タンク(1トンX2基)、EM2次培養タンク(1トンX30基)がありバックをしっかりと固めている。
実際の散布作業に立会い、散布体験もさせていただいたが想像以上の迫力に戸惑いながら、無事に3トンを撒き切った。終わった後の空気がこれまでと「変わった」と気付くのに時間はかからなかった。壮大な計画は始まったばかりだ。
別れしなに今泉氏は、「優しくキーンと張り詰めるような自然を取り戻すまで続ける」と穏やかな表情ながらも再び闘志を口にされた。その表情は決して忘れない。頑張って欲しい。


高濃度汚染地・馬場地区の除染活動がスタート 南相馬市原町区馬場

300世帯約1000人の住民が暮らす馬場地区には、“馬場ふれあい広場”と言う立派な集会所やグラウンドがあり、皆の憩いの場所であった。グラウンドの隣接地に放射線のモニタリングポストがあり、只ならぬ気配が漂う。線量は1μSv/hを超える。そんな中、馬場EM研究会の羽根田薫氏(馬場地区区長)が仲間10人とEMによる除染活動に立ち上がった。百倍利器1基で1次培養、1トンタンク4基で2次培養をする体制を構築し、軽トラックに300Lタンクを載せて散布する活動を今年3月末より続けている。羽根田氏は「継続散布で線量低下実績を作り、地区全体へのEM散布による線量低下を図りたい」と語る。


園児を守る地道な除染活動が進む郡山市のエムポリアム学園 福島県郡山市

郡山市堤下町にある学校法人エムポリアム学園の平栗光弘園長は、EM活性液を週に一度園庭に散布するようにしている、と話す。EMとの出会いは、園長はじめ関係者らが、放射能汚染から子供たちを守るために自分たちでもできる対策を模索していた折、NPO法人EM・エコ郡山の武藤信義さんと知り合ったのがきっかけであった。昨年6月に同NPO法人の協力を得ながら、放射能低減化試験を開始。約半年間の実験期間を経て効果を確認できたことから、協力会社で大型(1トン)のEM活性液培養装置を設置し、学園関係者や一般の利用者へも供給が可能となった。これにより、各家庭でも生活環境の改善や放射能対策に活用してもらえる体制を構築するに至った。


来年に向けて水田造り計画を進める堀本農場 福島県川内村

稲作農家である堀本農場(約5ヘクタール)は、震災前よりEMを使用した水稲栽培をして来たが、今年も昨年に引続き作付は見送った。今は毎週の除染活動が主体だが、EMを使った野菜のハウス栽培も行っている。顧客からは「コメが甘くて美味しい」との評価を得ていた為、作付を始めるには“甘さ”確保に自信が付いてからと話す。しかし、高価な機械設備も出番が無く、倉庫に眠ったままになっている現状は複雑だ。水稲栽培再開は喫緊の課題だが、比嘉教授の指導を受け再開に向けての気持ちを新たにしたい、と言っている。(堀本氏談)


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